高気密・高断熱の家って夏は暑いの? [これから建てる人のために]
小屋裏についての記事で夏場の室内温度について述べましたが、他の部屋の温度も測定していましたので、巷で言われているように、高気密・高断熱の家って夏は暑いのかどうかを考えて見ます。
高気密・高断熱の家と言っても厳密な定義があるわけでありません。次世代省エネルギー基準(住宅性能表示の温熱等級4)という一定の目安はあるものの、この一線の前後で劇的に冷暖房費が変わる訳ではなく、家の気密性・断熱性はC値、Q値で判断されるべきでしょう。
とは言ってもこれらの数値だけが高ければ良いという訳ではありません。家の高気密・高断熱化は壁内結露との闘いでもあったわけで、例えばベイパーバリアやコンセントの気密化を施さないまま、中途半端に断熱性だけを向上させるのは却って危険で、ベイパーバリアなしに現場発泡系の断熱材を用いるなら電気配線や配管工事が終わった後、壁体内に空間が出来ないよう完全に充填するなどの注意が必要です。
このC値、Q値は家の「燃費」と思えば分かりやすいと思います。室温をあるレベルに保つためには、C値、Q値(特にQ値)が小さい家ほど冷暖房費が安くなります。
かっぱ亭のC値は1.4、Q値は2.1です。この値は関東の高気密・高断熱と言われる家としては標準的だと思いますので、似たような状況の家はたくさんあるでしょう。
8月でたまたまエアコンを使わなかった日の室温の変化は次のとおりでした。
2階の温度は1階よりかなり高く、室内の暖気が上昇しているためと思われます。室温のピークが外気温に比べて3時間ほど遅れています。窓を開けていなかったため室温のピークは外気温とほぼ等しく、夜になってもそれほど下がりませんでした。
逆にリビングの温度は、ピーク時にも外気温より2℃ほど低く、夕方から夜に掛けてもそこそこ室温が下がります。因みに床下の温度は一日を通してほぼ一定で、温度だけを考えれば地下室があれば快適だったろうと思います。
全体的には、外気温が高くなっても家の中の温度はすぐには上がらないが、一度室温が上がってしまうと下がりにくい、と言えます。
もし日中窓を開けて風を通すと、体感温度は低く感じられますが、室温は外気温に近くなりますので、風が止まるとかなり暑く感じるでしょう。しかし窓を閉めっぱなしでは夜間の温度が高くなってしまいますので、日中は窓を閉めておき、夕方以降に開けるのが良さそうです。この場合窓が小さいと換気が不十分になりますので、風が通るように窓の大きさと配置はしっかり考えておくべきでしょう。
また朝に窓を開け放して外気を取り入れるなら、外気温が室温より低い午前8時より前、時間は早いほど良く、電気代節約を目指すなら、休日と言えども寝坊は禁物です。
結論としては、風が通りを考えた間取りであれば、窓の開閉時間を工夫することによって断熱性の高さを生かしてかなり快適に過ごせますが、そうでない場合はエアコンを多用しないと夜は寝苦しくなりそうです。
今年の夏は夜通しエアコンをつけていた日が結構あったのですが、窓を閉め切ってエアコンを運転するより、深夜には窓を空けておいた方が室温の低下が期待できそうです。しかしこれでは不用心。かっぱ亭でできることは、夜間には24時間換気を「強」にしておき、昼間は「弱」にするくらいでしょうか。
来年の夏には試してみたいと思います。
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高気密・高断熱の家と言っても厳密な定義があるわけでありません。次世代省エネルギー基準(住宅性能表示の温熱等級4)という一定の目安はあるものの、この一線の前後で劇的に冷暖房費が変わる訳ではなく、家の気密性・断熱性はC値、Q値で判断されるべきでしょう。
とは言ってもこれらの数値だけが高ければ良いという訳ではありません。家の高気密・高断熱化は壁内結露との闘いでもあったわけで、例えばベイパーバリアやコンセントの気密化を施さないまま、中途半端に断熱性だけを向上させるのは却って危険で、ベイパーバリアなしに現場発泡系の断熱材を用いるなら電気配線や配管工事が終わった後、壁体内に空間が出来ないよう完全に充填するなどの注意が必要です。
このC値、Q値は家の「燃費」と思えば分かりやすいと思います。室温をあるレベルに保つためには、C値、Q値(特にQ値)が小さい家ほど冷暖房費が安くなります。
かっぱ亭のC値は1.4、Q値は2.1です。この値は関東の高気密・高断熱と言われる家としては標準的だと思いますので、似たような状況の家はたくさんあるでしょう。
8月でたまたまエアコンを使わなかった日の室温の変化は次のとおりでした。
2階の温度は1階よりかなり高く、室内の暖気が上昇しているためと思われます。室温のピークが外気温に比べて3時間ほど遅れています。窓を開けていなかったため室温のピークは外気温とほぼ等しく、夜になってもそれほど下がりませんでした。
逆にリビングの温度は、ピーク時にも外気温より2℃ほど低く、夕方から夜に掛けてもそこそこ室温が下がります。因みに床下の温度は一日を通してほぼ一定で、温度だけを考えれば地下室があれば快適だったろうと思います。
全体的には、外気温が高くなっても家の中の温度はすぐには上がらないが、一度室温が上がってしまうと下がりにくい、と言えます。
もし日中窓を開けて風を通すと、体感温度は低く感じられますが、室温は外気温に近くなりますので、風が止まるとかなり暑く感じるでしょう。しかし窓を閉めっぱなしでは夜間の温度が高くなってしまいますので、日中は窓を閉めておき、夕方以降に開けるのが良さそうです。この場合窓が小さいと換気が不十分になりますので、風が通るように窓の大きさと配置はしっかり考えておくべきでしょう。
また朝に窓を開け放して外気を取り入れるなら、外気温が室温より低い午前8時より前、時間は早いほど良く、電気代節約を目指すなら、休日と言えども寝坊は禁物です。
結論としては、風が通りを考えた間取りであれば、窓の開閉時間を工夫することによって断熱性の高さを生かしてかなり快適に過ごせますが、そうでない場合はエアコンを多用しないと夜は寝苦しくなりそうです。
今年の夏は夜通しエアコンをつけていた日が結構あったのですが、窓を閉め切ってエアコンを運転するより、深夜には窓を空けておいた方が室温の低下が期待できそうです。しかしこれでは不用心。かっぱ亭でできることは、夜間には24時間換気を「強」にしておき、昼間は「弱」にするくらいでしょうか。
来年の夏には試してみたいと思います。
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タグ:高気密高断熱
「一度上がったら下がりにくい」
ワカリマス!!ワカリスギマス!!(←何者ですか)
あんなに涼しげだったタイルが熱を帯びていた時の驚きようと言ったら・・・。それは今年の夏の話。
・・・室内の温度上昇(&持続)でタイルの温度が熱くなってしまったのでした。
我が家的「ひと夏の経験」をお話ししますと(ゲフンゲフン)・・・・あぁ。ブログ記事にしよう(ニヤリ)。
かっぱさんからのネタ提供でオンブに抱っこのトーゴでした(苦笑)。
by トーゴ (2008-10-11 00:59)
トーゴさん、
猛暑の日は窓を閉め、太陽光を室内に入れなければいいのですが、そうするとシャッターを閉めたあなぐらみたいで・・・
やっぱり日射を遮るモノを窓の外側にあれば良いのでしょうが、ウチは軒の出が浅いのでリビングに直射日光が入ってしまいます。
by kappa (2008-10-14 00:55)
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はじめまして。
建築日記Plus管理人の鈴木と申します。
この度、「建築日記Plus(http://sumaiblog.jp/)」という「家づくり紹介サイト」を立ち上げまして、こちらでぜひ「1000万円台のローコスト高気密・高断熱住宅って?」さまをご紹介できたらと思い、突然ですがコメントさせていただきました。
「建築日記Plus」は、家づくり真っ最中、もしくは経験者の方が、その過程を綴られている日記・ブログをご紹介し、これから家を作る方にとって参考になる知識を得るための、家づくりサポートサイトです。
日記の人気ランキング機能や、家の構造/工務店/地域などでの検索機能を備えており、これから家を作ろうとしているユーザーさんの使い勝手はもちろん、建築日記を登録されているユーザーさんのブログ・HPにも、よりたくさんのアクセスが流れるようにするために考慮して作成いたしました。
せっかくの家づくりの貴重なご経験や思いを、これから人生で最も大きな買い物としてマイホーム作りをされる方へ伝えることができる、架け橋となるサイトを目指していきたいと思っています。
実はまだオープンしたばかりで、現在登録数もまだまだ少ない状態でサイトがスタートしています。
たくさんのサイト様に登録していただけるほど、よりたくさんのユーザーさんに見ていただけるサイトに成長していけると考えておりますので、ぜひ一度サイトに遊びにきていただいて、使い勝手などを感じてもらった上で、登録していただければとても嬉しいです。
ご不明な点などありましたら、建築日記Plusのお問い合わせフォームからご連絡ください。
読んでいただき、ありがとうございました。
「建築日記Plus(http://sumaiblog.jp/)」への訪問、お待ちしています!
by 建築日記Plus管理人 (2008-10-14 18:39)