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タマホームの長期優良住宅 [ハウスメーカー選び]

 近頃はとんとH.M.各社のチラシに興味が無くなってしまったのですが、先日久々に新聞のチラシを見て驚きました。
 タマホームの家が、長期優良住宅仕様になるとのこと。これまでのグレードアップは設備面では再三行われてきましたが、この様な目に見えない部分については初めてかも知れません。
 因みに長期優良住宅の認定基準は以下の通り(一般木造住宅に係る部分のみ抜粋)。

1.劣化対策
  ○数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。
  ・通常想定される維持管理条件下で、構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年
   程度となる措置。
  ・床下及び小屋裏の点検口を設置すること。
  ・点検のため、床下空間の一定の高さを確保すること。

2.耐震性
  ○極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、
   損傷のレベルの低減を図ること。
  ・大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制する措置を講じる。
  ・建築基準法レベルの1.25倍の地震力に対して倒壊しないこと。

3.維持管理・更新の容易性
  ○構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・
   補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
  ・構造躯体等に影響を与えることなく、配管の維持管理を行うことができること
  ・更新時の工事が軽減される措置が講じられていること等

4.可変性
  ○居住者のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じ
   られていること。

5.バリアフリー性
  ○将来のバリアフリー改修に対応できるよう共用廊下等に必要なスペースが確保
   されていること。

6.省エネルギー性
  ○必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。
  ・省エネ法に規定する平成11年省エネルギー基準に適合すること。

7.居住環境
  ○良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮された
   ものであること。
  ・地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の
   区域内にある場合には、これらの内容と調和が図られること。

8.住戸面積
  ○良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
  ・75㎡以上(2人世帯の一般型誘導居住面積水準)

9.維持保全計画
  ○建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されて
   いること。
  ・維持保全計画に記載すべき項目については、①構造耐力上主要な部分、
   ②雨水の浸入を防止する部分及び③給水・排水の設備について、点検の
   時期・内容を定めること。
  ・少なくとも10年ごとに点検を実施すること。

 http://www.mlit.go.jp/common/000039820.pdf より

 このように認定項目は色々あるのですが、2.耐震性と、4.省エネルギー性以外は既に殆どのH.M.で具備している内容であり、これら2項目がグレード(及びコスト)アップの内容となります。

 まず耐震性。

 「建築基準法レベルの1.25倍の地震力に対して倒壊しないこと」、とは住宅性能表示制度における耐震等級の2にあたります。大手H.M.の殆どは等級3ですが、ローコストH.M.は基本的に1なので、耐震性を高める必要があります。

 具体的には耐力壁を増やしたり、壁の中に筋交いを入れて壁倍率を上げたりするのですが、タマホームの場合は施工時間を短くするため構造用面材を使用していますので、壁を増やすか、壁倍率の高い面材を使用することになると思います。



 次に省エネルギー性。

 「省エネ法に規定する平成11年省エネルギー基準に適合すること」とは住宅性能表示制度における温熱等級4(次世代省エネルギー基準準拠)にあたります。これも大手H.M.の殆どは等級4ですが、ローコストH.M.は3なので、断熱性を高めるとともに、気密施工を行わなければなりません。

 私自身はビルダーを選定する際、蓄熱暖房を使うため次世代省エネルギー基準準拠を条件としたのでタマホームは検討対象としなかったのですが、「基礎形状が(良い意味で)普通」、「打合せ前に金銭を要求しない」など、ローコストH.M.の中では好感を持っていました。

 その後タマホームの標準仕様は、Low-Eガラスや断熱ドアの採用、熱交換式第一種換気装置の標準装備、アルミ・樹脂断熱サッシの選択を可能にするなど、徐々に高断熱化されました。
 住宅からの熱ロスの半分以上は開口部からのものですので、これらを装備することによって、現状では壁・床・天井の断熱材が公庫基準より薄くても、間取りが普通であればQ値に関しては次世代省エネルギー基準(Q値2.7)程度に達しているでしょう。よって断熱材の厚さを公庫基準並に引き上げれば全ての間取りでQ値2.7以下(Ⅳ地域)をクリアすると思います。

 断熱性は良いとして、現在の施工体制を一番改善する必要がある点は気密性の確保です。これまでは何も行われていませんでしたが、認定基準を満たすには、気密シートの採用、コンセントの気密化、極力隙間を少なくする施工など、手間と時間が掛かる気密施工が必要となります。

 ローコストH.M.のコストダウンは「人件費を掛けない」ことによって実現されています。例えばプランニングをする建築士を置かない、下請け単価を安く設定する(これが最も大きい)、現地で作業する時間を短くする・・・などです(もちろん資材の一括納入などもありますが、人件費に比べれば資材費の削減など僅かなものです)。気密施工はこれとは逆の、「手間を掛けて隙間を塞ぐ」ことが要求されますので、この相反する課題をどう解決するのか・・・

 既に次世代準拠を売り物としているローコストH.M.では気密シートを省略しており、これと似たような施工になるのかも知れません。実際のところC値の要求水準5.0はかなり緩い値なので、気密シートを施工しなくてクリアすることはできます。この場合、気密シートを施工した場合に比べてC値は大きくなりますが、平均坪単価75万円の木造工法の雄である大手H.M.もⅣ地域では標準で気密シートを施工していないので、工法認定を取ることは可能だと思います。もしかしたら新しい工夫が見られるかも知れません。


 いずれにせよ、今回の長期優良住宅仕様化が実現されればタマホームの基本性能は大手H.M.に大きく近づくと言えます。現在の坪単価は据え置かれるそうです。タマホームの最終的な延べ床面積に対する坪単価はコミコミ45万円程度であり、75万円程度の大手H.M.との差は歴然としています。仕様アップの分は下請けが負担することになるのかも知れませんが、実現されれば他のH.M.にとって大きな脅威となるでしょう。
 施主としては安くて良い物が手に入る選択肢が増えるなら大歓迎で、今後の施工内容が注目されます(個人的にはC値の測定結果を見てみたいです)。


 p.s. 先日kurizoさんから送っていただいた越後姫の株に実っていたイチゴの実が色づいたので収穫しました。
090513越後姫収穫.jpg

 味の方は噂どおりとてもジューシーで美味しかったです。庭のイチゴ隊の方は収穫量が落ちてきて、1日あたりイチゴパック1つ前後で推移しています。
090513イチゴ収穫.jpg

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建売住宅で希望の間取りを実現する [ハウスメーカー選び]

 建売住宅・・・

 建築ブログでは殆どお目に掛かることはないのですが、実際には一戸建て住宅の中で大きな割合を占めており、住宅購入の選択肢の一つとなっています。
 その品質については色々なサイトで論じられています。最も大きな問題点は、購入者は建築過程を見ていないので、目に見えない部分の施工が適切に行われたかどうか分からない、ということのようです。
 住まいの水先案内人



 一部を除けば、使用材料や設備などのグレードは注文住宅ほどではありません。しかし魅力的なのはその価格です。土地、建物それぞれで一定の利益を出さなければならない不動産業者やH.M.と比べ、デベロッパーは土地+建物で利益を出せれば良く、手間と時間の掛かる施主との打合せもありませんから、建売住宅の価格は、土地を買って注文住宅を建てるより、かなり割安になります。実際チラシを見ると、床暖房や食洗機などが付いた30坪程の建物+外構一式で1,000万円位しか掛かっていないのではないかと思われる物件があり、注文住宅では到底不可能な価格が設定されています。





 以前にも記しましたが、かっぱは家づくりにおいて重要な要素は、 1に間取り、2に価格 だと思っています。(もちろん瑕疵のない施工が前提となります)

 既に住宅をお持ちの方にとって、「狭い」、「使いにくい」、「収納スペースが少ない」など、間取りは最も不満度が高い項目です。せっかく家を建て、何十年もローンを支払うのですから、様々な制約条件の中でも、自分たちの生活スタイルに合った使いやすい間取りを実現したいものです。

 価格は安いか高いかとか、コスト・パフォーマンスがどうかという意味ではなく、自分たちが無理なく支払える範囲内に納まるかということ。当然人によって限度額が異なり、依頼先のH.Mの選択にも影響しますが、大切なことは無理をしないということだと思います。



 一戸建て住宅では、周囲の部屋への音漏れに悩まされることはなく(特に小さい子供さんがいらっしゃるご家庭では深刻な問題だと思います)、庭の緑に毎日癒されるなど、集合住宅では得難い住環境が得られます。
 以前、資金的準備が十分でない状況では「家を建てないのも一つの選択」と記しましたが、早いうちにこのような住環境を得るために、無理せず「手頃な建売住宅」を選択するのは有りだと思います。
 同じ意味で、初期投資を抑えるため中古住宅を購入し、手狭になったら建て替えるという方法もあります。

 確かに注文住宅の品質・デザインは建売住宅とは一線を画します。しかし限られた予算で注文住宅を建てようとすると、どうしても建物の費用がかなりの部分を占めてしまい、家の建築は「負債」の要素が強くなります。ずっとその家に住み続けるのなら問題はないのですが。

 一方で、ある程度立地に恵まれた建売住宅を購入すれば、「資産」として扱うことができ、住み替えなど次の展望も開けてくるでしょう。



 しかし、ここで問題となるのは間取り。

 建売住宅は多くの人に購買を検討してもらうため、万人受けのする無難な、言い換えれば平凡な間取りが殆どです。そのためどうしても自分たちの要望に合わない所が出てきて、妥協を強いられることになります。かっぱ達の場合も自分たちの要望である、「収納付き家事スペース」、「各部屋に収納」、「納戸」、「小屋裏DENまたは独立した書斎」、の4つを全て満たす建売住宅は殆どありませんでした。

 もし建売住宅で、自分の希望の間取りを実現しようとするなら、設計段階で要望を伝える必要がありますが、建売住宅は建築確認申請が通らないと、広告を出すことができないのです。
 これは「不動産の表示に関する公正競争規約」で定められています。

(広告表示の開始時期の制限)
第5条 事業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、宅建業法第33条に規定する許可等の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の内容又は取引条件その他取引に関する広告表示をしてはならない。

 従って広告が出されるのを待っていたのでは、間取りは決まってしまい、いくら早く契約しても、使用材料を選択できる程度の自由度しか残っていません。

 一方で、開発前に現地に設置する看板については、[1]マンション等の建設予定地である旨、[2]事業者名、[3]電話番号の3項目のみを記載することは、規約第5条の規定に違反しないものとして取り扱われます。



 ということは、開発前に現地看板を見つけてデベロッパーに連絡すれば、建売住宅でも自分の希望の間取りを実現出来る可能性があるのです。



 実はかっぱの同僚がこの方法で新築しました。



 彼の場合、建築したいエリアがある程度決まっており、物件が出る度に見に行くのですが、仲々気に入ったものには巡り会えなかったそうです。そんなある日、空き地に看板が出ているのを見つけ、早速電話してみたところ、デベロッパーが一帯の土地を買い上げ、分譲住宅として売り出す予定だということが分かりました。
 早速事務所を訪れると、区画割りはされているが図面はこれからという段階。そこで希望の区画を選んでデベロッパーと交渉し、こんなのをお願いしますと要望を伝え、図面に反映させることが出来たそうです。もちろん要望を出す前には、住宅雑誌などでかなり勉強し、建築中の現場もチェックしたそうです。
 その分譲地では同じような購入者が複数いて、その方達の家は思い思いに建てられましたが、それ以外は分譲住宅地にありがちな画一的な外観・間取りだったとのこと。もちろん後者は広告が出てから購入者が決まった物件です。

 ここで見習うべきポイントは2つ。

 1つ目は積極的な情報収集。
 この場合は広告のみに頼らず、自分の足で現地を見て回ったことが功を奏しました。建売の場合は何らかの形で事前情報を得ることで、より良い物件に巡り会う確率が上がりますが、土地探しの場合も似ていると思います。良い物件はすぐ売れてしまうので、広告されている期間が短くなります。逆に言えば、広告に掲載されている物件は売れ残っているものが多いと言うことです。また、「自分の土地を売りに出していることを人に知られたくない」と思う地主さんもいらっしゃいます。その場合、特定の仲介者を介して水面下で買い手を探しますので、地元の事情に詳しい業者さんにいろいろ声を掛けておくことも一つの方法。とにかく、新しい情報をなるべく沢山集められる態勢を整えることが大切です。

 2つ目は家づくりについて勉強し、自分の要望をまとめておくこと。
 建売住宅は注文住宅と違い、施主との仕様打合せは想定されていません。本来は施主が口を挟めない所をお願いする訳ですから、予め望む間取りや外観を決めておき、「こんなのお願い」と最初に提示しないと、要望を反映させることは難しいでしょう。

 かっぱの場合、自分に必要なもの、必要でないものを各社に提示し、最適なビルダー(予算内で自分達にとって最高の家を作ってくれるBeハウスさん)を選ぶことは出来ましたが、自分で間取りを描くには至っておらず、彼と同じことは出来なかったと思います。勉強熱心な同僚に脱帽です。

 家づくりに限りませんが、限られた予算の中でより良いものを得るためには、情報収集と知識(=勉強)は必要なのだと思います。





かっぱ亭近況
 近況と言うほど変わっていません・・・ (--;)>
 住宅情報ナビというサイトのアンケート、以前からその存在は知っていたのですが、回答したら漏れなく商品券3,000円プレゼントとのこと。建築時期などが該当しそうなので、申し込んで見ました。
 マイホーム購入者アンケート
 以前、マンションの販売業者が行ったアンケートに回答を書いて送ったことがあります。個人情報はアンケート以外に使わないとあったのに、営業の電話がかかってきたので適当にあしらったら、回答者全員プレゼントを送ってこなかったことがありました。
 さて今回はどうなることやら・・・

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契約 [ハウスメーカー選び]

 以前記した様に、契約前に気密性・断熱性についての認識の違いがありましたが、結局Beハウスの施工が次世代省エネルギー基準の仕様規定を満たしていることが分かり、担当者への信頼も回復し(と言うよりそれまでより増し)ましたので、程なく契約に至りました(約半年前になります)。
 契約書類は協議の上、契約書、見積書、図面、仕上げ表、公庫仕様書としました。契約書には、請負期間中でも部分的に完成した出来高部分は甲(かっぱ)の所有になると記されていましたので、少し安心です。
 支払いについては、出来高分の後払いにもできたのですが、若干の金利負担が伴うとのことでしたので、単純な分割払いとしました。
 また、図面・仕上げ表・公庫仕様書だけでは使用される細かい部材まで規定できていなかったので、万が一見積もり漏れがあった場合、甲はその経費を負担しない旨の特記事項を入れてもらいました。また同じく特記事項として、省エネルギー等級4(勾配天井部分を除く)という性能規定を入れてもらいました。
 契約が終わっての帰り際、どうしてBeハウスは性能価格比を売りにしないのか、担当者に質問した覚えがあります。
(今にして思えば、コストパフォーマンスより、プランの柔軟性やデザイン性を前面に出したいというBeハウスの姿勢があったのでした)

今日の現場

 昼休みに監督と階段手すりの仕上げについて打合せました。昨日メールをしたら、今朝返信が帰ってきており、いつもレスポンスが非常に早いので助かります。

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