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暴走?シロアリ対策 [仕様と価格]

 シロアリについては、「シロアリ、白アリ、白蟻」で記しましたが、電気蓄熱式床下暖房を採用する場合、断熱方法が基礎断熱となり、さらにスラブを暖めることによって冬季に周囲の地温が上昇しますから、シロアリを最も呼び込みやすい環境になってしまいます。

岡崎シロアリ技研
シロアリ屋の独り言

 この問題で真剣に悩んだのは契約直後でした。スラブに蓄熱する以上、シロアリが寄ってきてしまうことは避けられません。地表から1m以内の構造材には新築時に防蟻処理が施されますが、現在は強力な防蟻剤が使用できなくなりましたので効果は5年間しか持続しません。その後定期的に再塗布したとしても、基礎に接する部分や玄関部分の土台など、どうしても定期的に処理できない箇所が出てきてしまいます。そのため、地中のシロアリを構造材に到達させない対策が求められます。以下は主なシロアリの進入経路です。

1.基礎を外断熱にした場合の、外周部断熱材
2.スラブを貫通する給排水管スリーブの隙間
3.基礎スラブと立ち上げ部の打ち継ぎ目
4.基礎外周のコンクリートと仕上げモルタルの隙間
5.玄関土間

 これらそれぞれについて、対策を考えました。シロアリは地表に出る事を嫌いますので、一度も地表に出ずに地中から床下に入る事のできる経路を設けない事が基本です。

 1.については、幸いBeハウスの基礎断熱は内断熱なので、基礎外側の断熱材がありませんのでシロアリの進入経路となる危険はありませんでした。

 2.については上手にモルタル等で隙間を埋めてしまえば良いのですが、スリーブを用いるのはメンテナンスを考えてのことなので、スリーブ管内にモルタルを充填してしまうと意味が無くなってしまいます。そのため給排水管の交換を妨げない材料で隙間を埋める事になりますが、固結性の小さい充填材を用いればシロアリが侵入のために穴を開ける事もできてしまいます。そもそもスリーブと給排水管の間の僅かな空間に、隙間なく充填材を詰める事ができるのか?さらに充填材に防蟻性のものを使ったとしても効果は5年間です。
 これらの事を考え、給排水管は床下に引き込む前に一旦地上に立ち上げ、基礎立ち上げ部を貫いて引き込む事にしました。この方法の一般的なデメリットは、冬季に凍結する可能性があることと、紫外線による配管の劣化でしたが、建築予定地は配管凍結の心配は殆どないので、配管の露出部分を被覆すること(エコキュート配管と同様の対策)で対処しました。
 またスラブを貫く管は一切設けない方針で、基礎水抜き穴も水平方向に設けました。

 3.について。掃き出し窓の降り口や勝手口の階段等を設けるため、基礎外周部に接してコンクリートが後から打たれると、その打ち継ぎ目を通して、基礎スラブと立ち上げ部の打ち継ぎ目に到達され、侵入されてしまう可能性がありますので、予めこれらのコンクリートをスラブと一体で打設することにしました。

 4.については基礎外周部のモルタル刷毛引き仕上げを行わないことにしました。

 5.について3.同様、玄関ポーチの部分までスラブを延長して一体的にコンクリートを打設することにしました。

 これらの対策を考えるにあたっては、施工事例があるのか分からなかったので悩みました。「こういう構造は危ない」という記事はたくさんあるのですが、結論は「基礎断熱は避ける」というもので、「対策はこうしたら良い」という記事って殆どありませんでした。困ったので、掲示板に質問して、実際に施工された方の意見を求めたりもしました。

おしえて!HOME'Sくん

 また、基礎の断熱材はスタイロフォーム(押し出し発泡ポリスチレン板)を使用していますが、ネットで調べると防蟻剤入りのスタイロフォームATなる商品がある様です。これを使用すれば万が一基礎内に侵入されても、シロアリが土台の木材に達するまでにはかなり時間が掛かります。これは良い材料を見つけたと思い、基礎断熱材をスタイロフォームATに変更した場合、差額がどの程度になるのか、見積もりをお願いしました。
 出てきた金額は、

 30万円!  ( ̄△ ̄#)

 なぜそんなに高いのか、ネットで調べると定価ベースではそれ程価格差はありませんが、実売価格はやはりATの方がかなり高いようです。メーカーとしても防蟻効果を持った押し出し発泡ポリスチレン板は寡占状態なので価格設定も強気の様です。

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コメント 4

トーゴ

かっぱさん、こんにちわ!
シロアリ対策気になります。
前述されていた記事でも気になっていたのですが、結局、そのまま「おまかせ施工」で基礎工事に突入デス・・。
来週には基礎屋さんが本格的に動き出しますが、「今お願いしても、まだ間に合う!」というシロアリ対策って何かありますか?
しかし、防虫処理で差額30万円は・・・。ムムムゥ・・。
by トーゴ (2007-09-02 11:33) 

kappa

トーゴさん、こんにちは。

いくつかあると思います。

2×4は上棟までに時間が掛かりますので、どうしても雨に降られて基礎に水がたまってしまいます。その水を抜くために基礎に水抜き穴が設けられるのですが、これをちゃんと塞がないとシロアリの進入経路になってしまいます。かっぱ亭ではこれを鉛直方向ではなく、基礎スラブ上面から水平方向に設けました。ただこれをすると水はけが悪くなるので、梅雨期に結構水が溜まってしまい、ちょっと失敗でした。後で水抜き孔を塞ぐとき、モルタルがしっかり充填されていることを確認すれば、鉛直方向でも問題ないと思います。

給排水にスラブを貫くさや管を使われる場合には、間隙の充填方法を確認するとともに、できれば引き込み部を床下点検の際に目視できるようにする(ちょっと立ち上げるとか、スタイロフォームが貼られない場所に引き込むとか)と良いと思います。

あと一つ、基礎スラブ打設後のレイタンス処理です。ご存じかも知れませんが、レイタンスとはコンクリートが固まるとき、上面に薄くできる膜のようなものです。基礎外周の立ち上がり部分を打ち継ぐとき、このレイタンスを除去しておかないと打ち継ぎ目部分が弱くなってしまいますので、基礎屋さんにしっかり処理してもらうよう、監督に伝えた方が良いと思います。ここがしっかり処理されれば、打ち継ぎ目が開いてシロアリの進入経路となることはまず無くなると思います。
by kappa (2007-09-02 16:00) 

トーゴ

こんばんわ!
え~と、「レイタンス処理」・・と。勉強になりまっす!これで少しは心配も減るかな・・・。
by トーゴ (2007-09-02 21:40) 

kappa

トーゴさんがブログで記されている様に、確率的に言えばシロアリの被害に遭う可能性ってすごく小さいと思うのですが、普通の家より弱いのなら、何か対策しておかないとって思ってしまうのです。
by kappa (2007-09-04 02:44) 

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